「おいしい」の記憶をたどって

収穫した野菜 エッセイ

最近、食事をしていてふと思うことがあります。
「なんだか、昔ほど感動しないなぁ」と。

もちろん、お腹は満たされるし、味も悪くない。
でも、あの「おいし~っ♪」と自然に笑顔になるような瞬間が、少なくなった気がするのです。

昔はもっと、パクパクといくらでも食べられていたのに。
年齢のせいかな?それとも、私の料理の腕前のせい?
そんなふうに思っていたのですが、家庭菜園を始めてから、あることに気づきました。

思い出した「本当のおいしさ」

自分で育てた無農薬の野菜を食べてみて、はっとしました。
「そうだ、昔もこういう味だった」

子どもの頃、祖父や母が畑で育てた野菜を食べていたことを思い出したのです。
その頃の食卓には、採れたての、形も不揃いで虫もついているような、でも力強くて味の濃い野菜が並んでいました。

スーパーの野菜は、見た目も美しくて、国産なら安心感もある。
それはそれでありがたいのですが、家庭菜園の野菜は、まったく別物。
茹でるだけ、蒸すだけ、焼くだけ、塩をふるだけで、驚くほどおいしいのです。

たとえば、採れたてのオクラとモロヘイヤ。
茹でて叩いて、だし醤油をかけてご飯にのせるだけで、感動する味になります。
飽きたらとろろや納豆と混ぜてもまた違ったおいしさ。

モロヘイヤのたたき

変わりゆく食卓と、変わらない願い

我が家は共働きなので、仕事帰りにお惣菜を買うことも多く、
時短のためにレトルト調味料を使うこともあります。
それはそれで本当に助かっています。

でも、ふと立ち止まって考えると、
私が育った食卓と、今息子たちに出している食事は、ずいぶん違うものになったなと感じます。

女性も働くようになり、家庭の食卓は大きく変化しました。
昔は無農薬の野菜が当たり前だったのに、今ではそれが難しい。
添加物や農薬の摂取量も、きっと昔より増えているはずです。
それが、食事の味にも少なからず影響しているのかもしれません。

小さな畑から、未来の食卓へ

我が家では、100%無農薬・無添加というのは現実的ではありません。
でも、家庭菜園だけは無農薬にこだわって、
私が育った頃のような、力強くて優しい味の野菜を、
少しでも息子たちに食べさせてあげたいと思っています。

ゴーヤ

今日の夕食は、畑で採れたゴーヤを使った料理。
見た目は素朴でも、心に残る味でした。

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