知らずに食べているかもしれない──ゲノム編集魚と食の安全をめぐる静かな問い

ゲノム編集魚のアイキャッチ 政治と構造

はじめて知った「ゲノム編集魚」

ゲノム編集魚ってなんでしょう?

何気なくインスタのリール動画を見ていたら、ゲノム編集魚について配信している方がいて、
お恥ずかしながらその時初めて「ゲノム編集魚」というものを知りました。

ゲノム編集とは、生物の設計図であるDNAの特定の部分を切断し、自然な修復過程を利用して変異を起こす技術です。
これにより、魚の成長を早めたり、肉厚にしたりすることが可能になるとのこと。

例えば「肉厚マダイ」は、成長を抑制する遺伝子を壊すことで、可食部が最大1.6倍に増加。
京都大学発のベンチャー「リージョナルフィッシュ」が開発し、2021年から販売開始されたそうです。

トラフグやヒラメも同社が開発し、ふるさと納税の返礼品やネット通販で流通しているとのこと。

社会課題への期待と、知らされない現実

「ゲノム編集食品」届け出制度化から5年…高GABAトマトなど流通も「知らない」9割超 : 読売新聞

食料不足への備えとして、収量の多い作物や成長の早い魚を作るという社会課題への共感もあり、購入者の評判は良いそうです。
けれど、2024年3月時点で「知らない人が9割」という調査結果が出ています。

ゲノム編集は、他の生物の遺伝子を加えない点で遺伝子組換えとは異なる技術。
それでも、知らされないのは安全性が確立されているからなのでしょうか?

安心なのか?──制度の構造

日本では、ゲノム編集食品の市場流通にあたり、遺伝子組換え表示の義務がありません。
輸入品も同様です。パッケージや店頭表示だけでは判別できないのが現状です。

安全性審査も義務ではなく、企業の自主的な届け出に基づいて流通しています。
つまり、消費者が自ら情報を得て判断する必要がある構造です。
ゲノム編集技術を利用して得られた魚類の取扱いにおける留意事項

安全性が届け出制?

私たちが見分けがつきにくい?

これって、もしかして──知らないうちに参加させられている“治験”なのでは?

表示義務がないため、私たちは知らずに食べる。
体調不良があっても因果関係が追えない。(どこかで聞いたことがあるような)

厚労省の公式記録では「健康被害なし」とされていますが、
消費者がゲノム編集魚を食べていることに気づいていないため、
因果関係が追えないのは当然かもしれません。

🛒 ゲノム編集魚の流通状況(2025年)

現時点では外食産業とふるさと納税が中心で、スーパーには流通していないようです。

日本消費者連盟が2025年に全国の寿司チェーン18社に対して「ゲノム編集魚を使用しているか」アンケートした結果はこちら

スーパーでは販売されていない

読売新聞の報道によると、ゲノム編集魚(マダイ・トラフグ・ヒラメ)はスーパーでの販売実績は確認されていません。
一方で、高GABAトマトは2023年から一部スーパーで販売開始されています。

主な販売経路は以下の通り

  • ネット通販(公式サイト・楽天など)
  • ふるさと納税の返礼品
  • 一部の飲食店やイベントでの提供
  • 加工品(冷凍フィレ・昆布締め)としての販売

今はまだ、私たちにも選択肢はあります。

⚓ 漁業がつぶれるという連鎖

ゲノム編集魚は「安定供給・成長促進・肉厚化」で市場競争力が高い
→ 天然魚や従来の養殖魚が価格・効率で劣る
→ 小規模漁業者が撤退・廃業
→ 地域の漁村文化や食の多様性が失われる

消費者は「安くて脂の乗った魚」を選ぶが、その背景は知らされない
→ 表示がないため、“選んでいるつもりで選ばされている”
→ 結果として、市場がゲノム編集魚に収斂していく

🐚 私の選択──地元の魚を選ぶということ

ゲノム編集魚は養殖なんですが、養殖すべてがゲノム編集魚ではないので、天然〇 養殖×という簡単なくくりで判断するわけにもいかないのがむずかしいところです。
※養殖の場合は、「成長促進」「肉厚」「ゲノム編集」「リージョナルフィッシュ」「新技術を活用した養殖魚」などの文言がある場合は注意!

小規模漁業者が撤退し、市場がゲノム編集魚に収斂していくと、安全性以外にも懸念すべきことがあります。
それは、自給自足や地産地消が難しくなるということです。
これは魚に限った話ではありません。

🧭 自給自足が困難になる構造の具体例

1. 種子の支配と品種群の設定

  • 「あきたこまちR」のように、従来品種が“品種群”として置き換えられ、選べなくなる
  • 自家採種が困難になり、農家も企業から種を買うしかなくなる

2. ゲノム編集魚の流通と表示義務の欠如

  • 表示されないまま流通することで、消費者は知らずに選ばされる
  • 地元漁業が価格競争に負け、地域の自給的な漁業が衰退する

3. ふるさと納税や補助金による構造的誘導

  • 地域振興の名のもとに、ゲノム編集魚や放射線育種米が返礼品として流通
  • 地元の人々が「選ばされる構造」に巻き込まれる。

4. スーパーの流通網と価格支配

  • 地元の野菜や魚よりも、大量生産・大量流通された企業製品が安く並ぶ
  • 自給的な暮らしが「高くて不便」とされ、選ばれなくなる構造ができる。

🕯 食の安全とは何か

メディアでは、危険な周辺諸国への脅威から守る方法として武装を推奨するような風潮があります。
でも、食糧自給率が低いのに武装したとして、本当に安心なのでしょうか?

武器は積極的に買うのに、食糧に関しては、自給自足が難しいような構造に徐々に変えられていっている。
武器を使う前に兵糧攻めに……。

健康に害のないものを食べることが出来るということだけが、食の安全?
生きるために必要な食料を、自分たちの手で、いつでも手に入れられるという「食の安全」が、静かに失われつつある。

そう感じるのは、私だけ……ではないと信じたい。

安全とは、選べること。育てられること。守れること。
表示のない魚、選べない米、育てられない種。
それらが静かに構造に飲み込まれていくとき、
誰かに選ばされるのではなく、自分で選び取る力が、
私にとっての食の安全です。
だからこそ、今のうちに記録しておきたいのです。

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