径山茶というお茶をご存じでしょうか?日本茶のルーツに深く関わる、知る人ぞ知る中国茶です。今回は、私の記憶と調べたことをもとに、径山茶について綴ってみました。
茶の種の性質と現在の茶栽培
日本茶の始まりは、鎌倉時代の僧・栄西が中国から茶の種を持ち帰り、京都・栂尾に植えたことだとされています。
では、どんな茶の種を持ち帰ったのでしょうか?
諸説ありますが、径山寺には日本からも修行僧が来ており、径山茶を飲んでいたということから径山茶の種ではないかというのが有力な説のようです。
ちなみに、お茶の種には「自家不和合性」という性質があり、同じ品種には育たないので今の日本茶が径山茶か?と言われれば別物ということになります。
茶樹は種から育てると親と異なる性質になるため、品質の安定には工夫が必要です。
現在の茶栽培では「挿し木」が主流で、これは親木の枝を土に植えて増やす方法。
挿し木なら、親木と同じ性質の茶樹が育ち、品質も安定するのです。
径山茶とは──その歴史と背景
径山茶は浙江省杭州市余杭区の径山寺で作られる緑茶です。
唐代に始まり宋代に隆盛を迎え、日本の臨済宗の僧侶たちが修行に訪れ、茶の文化を持ち帰ったことで、日本茶道の源流とも言われていることから、径山茶が日本茶に深い影響を与えたことは間違いないようです。
このお茶、どんなお茶なのか?

中国茶と日本茶の製法の違い
まず、中国茶と日本茶との違いをあげてみます。
お茶の葉は摘み取ってから時間がたつほど酸化して品質が落ちていきます。
そのため熱を加えて酸化酵素の働きを食い止めます。(殺青)
中国茶は茶葉を釜で炒って、日本茶は蒸して酸化をとめます。
ここが大きな違いです。
中国茶は茶葉の形がそのまま残りますが、日本茶は茶葉が柔らかくなるため、形が崩れて細かく加工されることが多いです。

同じカメリアシネンシスの茶樹からできていても、味わいが異なるのがおもしろいところです。
径山茶の味わいと魅力
径山茶は中国茶のひとつであり、次のような特徴を持っています。
- 一煎目から香り高く、三煎目、四煎目までしっかり味わえます。五煎目以降も楽しめるほど、茶葉の力強さがあります。
- ふわりと花のような香りが立ちのぼり、飲むたびに癒されるような風味です。


歴史とともに味わう一杯
日本茶に影響を与えたとされる径山茶――その香りと味わいは、歴史とともに楽しむ価値のある素晴らしいお茶です。
▶ 動画で見る径山茶の魅力
動画では径山茶の茶葉の動きや香りについてもご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。



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